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えんこの話

えんこの話

明治一〇年ごろの話であるが真夏の暑い日中に、ある女の子(七歳)が一人で水泳に行った。

遊子谷のある渕で水泳をしていると、岩の下から、えんこが出て来て七歳の女の子を追いかけ始めた。

だんだん近寄って来るので真ぱら裸になって家へ漸くたどり着いた時、後を振り向いて見たらえんこはどこえやらさっぱり分からなくなっていた。

えんこのことを現在では、かっぱと言っている。

かっぱは頭のてっぺんがひっこんでいて、水が溜っていると言うことで、この水がなくなると、かっぱは弱って動けなくなるという。

どこかでえんこに出合ったら先づは丁寧に頭を下げ、こんにちはと言うと、えんこも丁寧に頭を下げる。

そこで頭の上にある、おわんの水は出てしまうのでえんこは動けなくなるということだ。

今城川町の愛護班でも、あいさつ運動が盛んに行われていて社会を明るくしているが、お互も、のさばらずに、またえんこに負けないように先に頭を下げた方がよいと思う。

“稔る程頭の下がる稲穂かな”で、のっきらきんとしている稲穂は実がない。腹にたまらないので、だめである。

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