SHARE:

狸のついた人の話

狸のついた人の話

昔は遊子川地区にも狸のついた人の話が数限りないほど沢山ある。

ある人が山仕事に行き、タ方の帰り道に、狸が取りついた。

がたがた体が震え、下痢を何回となく繰返しながらようやく家に帰ったが、震えは止らない。

皆んなで上からおさえていても止まらず熱も出始めた。

これは大変だとお医者様を迎えた。お医者さんが注射をして薬を飲ませたら少し気分を取り戻し元気になった。

ところで病人は良くなったが、大変なことになった。今度はお医者さんが狸に取りつかれてがたがた震え始め、何回となくトイレへ通い、下痢の模様となった。

困ったのは宿の人達や隣近所の人々で、電話はないし電気もない時代なので、皆んなの協議によってお医者さんを桑籠に入れて送って行こうということになり、五、六人で荷って医師宅まで送って行った。

狸のついた人は最初に話したとおり数限りなくあるが、昔は古狸が沢山いて油断大敵であった。

現今は昔のような古狸は少くなったことと、人間の知識も非常に向上したためだろうか、狸も都会でも人家近くまで接近している。

中には旅館の裏庭まで毎夜お肴をせがみに来るといい、なつけば何にしても可愛いいものである。

あなたへのおすすめ