ミヤリの伝説

唐岩峠に向かっていた。途中山仕事をしている人達が昼食をしているところに通りかかった。
そこで私の最も大事なこの槍を渡すから、ご飯を食わせてもらえまいかと懇願した。
ところが弁当も残り少なく、他に持ち合わせもなく差し上げることはできないと断った。
侍は止むなく重い足を引きずって峠へと登ったが、疲れが出て槍も重く邪魔になり、ご飯一杯にもならん槍は不用だと投げ捨てた(見捨てた)。
その所を地名「ミヤリ」となったという。
その侍はようやく峠にたどりついたが、そこを越せず山づたいの道を南に下って行った。間もなく古屋敷の人家附近に至ったが、全く力尽きて行き倒れとなった。
部落の人達は、その侍の死を哀れみ、源氏王神社のそばに丁重に葬った。その後源氏王神社に合祀して部落の守護神として祀っているという。
投げ捨てられていた槍は某氏が、家に持ち帰っていたが、光り輝き気味悪くなり、もとの山に持って行き捨てたという。
その山が「いらず山」と伝えられている。なお下遊子谷部落の人達は、毎年侍の霊を慰めるため念仏をあげて供養しているという。


